好きだと、言って。①~忘れえぬ人~
「今の私じゃ、胸を張って伊藤君に好きだなんて言えないから。今は、言わない」
「……そうか」
私の気持ちを理解してくれたのか、否か。
浩二はそれ以上は何も言わずに、上着の胸の内ポケットから何か白い紙を取り出し、私に差し出した。
「はいよ」
「え?」
それは、
小さな向日葵のイラストが描かれた、白い封筒だった。
封筒の真ん中に書かれている、見覚えのある女の子らしい繊細な文字列が目に入った瞬間。
私は、思わず、息をのんだ。
『あーちゃんへ』
そこには、ハルカの筆跡で、そう書かれていた。