*powder snow ~空に舞う花~*



「待てって…。

なんで、莉子が出てくるんだ??知り合い、だったのか??」



目をまん丸にして、繋いでいた手をパッと離して口元を押さえた千雪の姿は

きっと、オレらの言っている事が食い違っていた事に気がついたから。




「だって…親に怒られたよなって…海斗言ったでしょ…!?」


「それは…、昨日家の前でオレ、

抱きしめたり、したから見られてバレたんじゃねーかって…」


違った、のか…!?


千雪は口元を押さえたまま顔を小さく振った。



「違っ…。どうして…??」



どうして??は…、オレも同じ。




「なぁ…千雪。

オレら、ちゃんと…話そうか」




オレたちが食い違ったところも分からないままだけど…



今は、もう何もなかった事には出来ないだろ…?




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