*powder snow ~空に舞う花~*
聞いたのはオレなのに
「なんでそんなにいっつも余裕かましてんだよっ!!」
なんだか、まるで兄貴にいつまで経ってもかなわないような気がしてムキになって
オレより背が高い兄貴の手からタオルを取り返した。
「余裕なんて、
これっぽっちもねぇよ」
いつも憎たらしいくらい冷静で、ぐぅの音も出ない意見ばっか言うくせに
静かな声で、静かに笑った兄貴を
オレは初めて見た。
「なんだよ、それ」
なんでいきなりそんな顔すんだよ。
「そりゃ、こっちのセリフだ」
「イテッ」
頭をパシッと軽く叩かれてもう一度兄貴を見上げたら、いつもと変わらない表情だった。