*powder snow ~空に舞う花~*



私の後ろからバタバタとスリッパからいくつも鳴らして人が近づいてくる音が聞こえて、振り向いた。



振り向いた先にいたその人たちは息を切らして、すぐ私の横に立って



「連絡をいただいた朝日奈です」

「息子は大丈夫なんですか?」

「……っ」

ナースステーションの中にいる看護士さんたちに大きな声で話しかけていた。





お父さんとお母さんと
大学生くらい?な男の人三人。

すぐにお兄ちゃんの事故の被害者の家族の人だってわかった。



やっぱり、居心地が悪くって立ち去ろうとしたんだ。

けど………



「朝日奈海斗さんのご家族の方ですね」


看護士さんが言った名前に…私は聞き覚えがあったから。。


うぅん…、聞き覚え、っていうより


私が……心が……



恋、している人。



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