*powder snow ~空に舞う花~*



感謝してるよ。本当に。
それに…お父さんがどれだけ心配してくれたのかも、分かってるつもり。
シュンとした私を見て

「ま、でも加納くんが来週には退院出来そうだって言ってたからたいした事なくて良かった」

お父さんが安堵のため息と一緒にそう言ったから…

「本当に!?じゃあ、二学期からも学校行けるね!!」

「だからお前はなぁ!!」

「ハイハイっ!!もうしませーん!!」


だって、このまままたずっと入院だと思ってたから嬉しいんだもんっ。


ちなみに、お父さんの言った『加納くん』は、私の外科担当医。



「あ…、お父さん。さっきね友達になったの」

私とお父さんのやりとりを見て笑っていた莉子を取りあえず紹介して、少したわいもない話をした。



「……じゃあ、仕事戻るから。
莉子ちゃん、ごゆっくり…とは言えないけど、仲良くしてやってね」

「はいっ」


お父さんが手を振って出て行った。




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