逢いたい…。【実話】
辺りは真っ暗だ。


車のライトが向かってく

る度ドキドキする。



【お願い…

来て…TUN…ドキドキ】



かなり待った気がした。



【電話…

してみようかな…ソワソワ】



この近くには公衆電話が

ない。



【でも…その間に来ちゃ

ったら……ソウダヨ…大丈夫

もうすぐ来る…ょ…ね】



何台もの車を見送った。


《……TUN…グスン》


身体中が冷えて痛い。



【モウ…待てないょ…ごめ

んね…ズキン…逢いたかっ

たょ…逢って3人の夢を

見たかったょ…グスグス】



もう時間は限界だ。



【あっ…鈴…持ってくる

の忘れちゃった…ズキッ

あたしがここにいたの分

かんない…ヨ…ネ…ズキン】



クリスマスツリーにかけ

た鈴を思い出す。




今はふたりを繋ぐものは

何もない――――




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