逢いたい…。【実話】
慌てて必要最低限の物を

バックに詰めた。



【ドクン…ドクン…

早くしなきゃ…ドクン…】



緊張が極限に達している。


《チビ太?!おいで!》


[はぁーい♪]



すくすく成長している

チビ太を抱っこして荷物

を持つ力があたしには

なかった。



チビ太の小さな足に

靴を履かせる。



【ビクン!足音?!!】



カツン…カツン…カツ…カツ…



【ビクッ!!!】



チビ太の靴を脱がせて

荷物を押入れの中に押し

込む!



カチャン……



ガチャガチャ……



「ただいま!」



【ぁぁ……ガクガクガク

そんなぁ…TUN…ズキン

ダメ…ダッタヨ…グスン

遅かったょぉ…間に合わ

なかった…ょ…グスグス】



「何慌ててんだ?!」



【ビクン!!】



《…ウウン……》


「顔がひきつってんぞ!」


パパはそれ以上追求して

こなかった。



【ごめんね

今日は行けないょ…グスッ

TUNに伝えなきゃ…】



いつもふたりがすれ違う

のは神様の悪戯なのか?




それとも神様の罰

なのだろうか――――





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