空悟~大切な君~

さよなら

父さんと母さんの思い出の場所を離れ、俺達は家に帰って来た。
もう夜もすっかり更けていて、空悟はご飯を食べるとすぐに寝てしまった。だから、俺も父さんも布団に入る事にした。
そして、俺に残された時間は後一時間となった。
海で遊び、山登りをして空悟を探し回り、身体はとても疲れているのに全く眠たくならない。
興奮か、不安か、恐怖か…。この気持ちが何なのか分からないが、眠る事が出来ない。嫌、眠る訳にはいかない気がする。
「海斗」
父さんが静かに口を開く。
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