【完】透し予知能力者
もう…拓を助けている時間がない
『ごめん…』





『ん…んんんー』
拓が何か言いたそうにしているけれど聞かずにトラックの扉にしがみついた





『ガチャ…』
扉が開く





暗闇の中…私が扉にしがみついていることなんて誰も気づかない…





私がいないことに気づく前に扉からソロッと降りて港の倉庫が並ぶ建物に自分の身をひそめた





そして…私がいないのに気づいた黒人達の叫び声が聞こえる





私は震えながらも隠れていた





すると…
『バシャッ〜』
水しぶきの音が港に響く





拓が…海に沈められた場面が私の頭の中に浮かぶ





その後…車の音がしてその場から黒人達が去って行くのがわかった





ガタン…
『キャー!』
少しの物音にも私は悲鳴をあげるほど怯えていた





1人でいるのがこんなにも怖いと思ったのは…はじめてだ





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