なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?




「俺、バンド演奏聴きたい。」


そんな俺の提案に




「え、やだ。」


亜子は即答。




「人多くてうるさいの嫌いだもん。」


相変わらず自分勝手なお姫様。




分かってたよ、こう言われることくらい。だから…




「人少なくて、うるさくなかったらいいんだろ?」


俺の言葉に首を傾げる亜子。




そして俺は続ける。




「じゃあさ……」





――――――――――


―――――――――――……


………………………………………






「……トーヤにしては、ちゃんとした提案だね。」




俺達が向かった先、それは










体育館裏。




告白の大定番!




だからじゃなく、ここなら演奏も聴こえるし、みんな中で演奏を聴いているから、ここには人が来ないだろうという俺の考え。




その俺の読み通り、人一人いなくて静かな空間。



中の音楽がBGMのように聴こえてきて、凄く心地良い。




「座ろっか。」




俺の促しで、俺達は体育館のドア前のコンクリートに腰を下ろした。




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