なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?




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「あのぉーー…」




門を出たところで、後輩らしい女の子に声をかけられる。




顔を真っ赤にしながら、こちらをまっすぐに見つめている。














「先輩卒業するのに今更って感じですが…」




「ずっと好きでした!良かったらボタンください!!」












一生懸命なその姿に、




思わず可笑しくて笑いが止まらない。




こんな俺のどこをみて、“好き"だなんて思うんだろう。













いつもの俺なら




胡散臭い笑みを浮かべすぐにOKしてたかな。














でも、













今は違う。













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