【短篇】私と僕。~逆らっちゃダメ~
「怒ってないよ。何も。」


「よかった。」


また、あの笑顔。


やめてよ。


その笑顔。


なんだか悔しくなるじゃない…。


「ハナ?」


「ケンちゃん、行くよ!!」


走って学校へ行く。


まるで、飼い主と犬の早朝ランニングのように。

ケンちゃんは、走っていても忠実なペットでいる。


私の前を走らない。


私より一歩下がり走る。

その行為は、私への忠誠のしるし。


御主人様であると、感じる行為だった。


「じゃあね。ハナ。また帰り来るよ。」


「ありがとう。」


教室を入り、いつもの席へと座る。


「おはよう!ハナ。今日も、ケンちゃんは犬だね。」


「おはよう。当たり前でしょ。ケンちゃんだもん。」


友人が話しかけてきた。

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