夏色のキミ〜sea side

闇と



「そろそろ夏服の季節やなぁ」


服で季節を感じるらしい建斗


「なんか、変なの〜」


私は頬杖をついて 隣に座る建斗を横目で見やる


「あほっ亜紀は夏服の良さを知らんな!」


前のめりになる彼に


「何それー」


と適当気味に聞いてみた。


「夏服って、下着の線うつるやん」


建斗は、にこにこしながらそう答える。


私は冷たい視線で彼を見つめ返した


「……きもい」


「ひどい!」


傷ついた と机に突っ伏しになる建斗


私は退屈になって 携帯を開く。


さくらは職員室だし 純はまた遅刻するみたいだし…


暇だなぁ


建斗が相手だと セクハラ発言ばっかりだし。


純にメールでも打とうかな


昨日送ってくれたお礼もちゃんと言いたいし…


でも、まだメールした事ないんだよね。


うーん…


悩みながら携帯を見つめていると


「…山瀬さん」


名前を呼ばれ、ふと顔を上げた。


そこに立っていたのは 同じクラスの今田 里穂だった。


「…ちょっと…いいかな」


と、微笑む彼女。


が、その目はひとつも笑っていなかった。



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