私の小さな物語
咲人が部屋を出ていく。
階段を下りる足音が遠ざかる。
そしてそれに伴って美羽さんの笑顔が冷たいものに変わっていく。
「ねぇ、奏ちゃん。
柊君ね、よく奏ちゃんのコト話してくれるんだよ」
「そうなんだ。
アタシには美羽さんのコト何も言ってくれないけど」
「奏は本当は弱虫なのに俺を頼ってくれないんだって。
でも強がってるのも子供みたいで可愛いって」
「美羽さんに言ったの?」
「……友達と話してるのを聞いてたの」
美羽さんは憎らしげにアタシを睨みつける。