10円の魔法
ウラハラ




―――3月――。


季節が徐々に冬から春へと変わろうとしている。




うちの気持ちは、なにひとつ変わる事はなく、時間だけがただ過ぎていくばかりだった。







「幸成(ユキナリ)あんた、うちのお弁当食べた……!?」



「うぬ。美味かった」


目をキラキラ光らせて、幸成はこたえた。




「味なんかきーてないわ、ドボケ〜〜〜〜!!!!」





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