10円の魔法
「幸せムードの幸成君の背中を押したのは、巧君でしょ?
巧君も、妃乃の事好きなくせに…」
「―――…。
ははっ…。
未来にはお見通しなんだ……」
くしゃっと、前髪を触る。
前髪で巧の目が隠れていて、どんな顔をしているか分からなくなくなった。
「………いいんだ…。
俺は、妃乃も幸成も大切だから…」
「ふふ…。知ってる。
2人のこと、同じ位に思っている事も」
「――!!
俺の前では、幸成も……妃乃も、
あんな顔しないから」