マイ・スペース
1 非常階段





「今日ヒマ?」


聞き馴染みの声が聞こえる。

私がここにいると知っているのは、レナとマコしか知らないはず。


ぼんやりしながら目を空けると、雲ひとつない空を背景にやんちゃ顔が私を見ていた。

「うん」

とりあえずそう一言答えると、今日、来ない?って、少し真面目な顔で聞いてくる。



「明日テストあるんだけどなぁ」

携帯を見ると十四時十二分。

ここに一時間半もいたことになる。苦笑いして煙草に火をつける。


ふぅっと紫煙をだす私を見ながら気が向いたらメールして。と、彼は言い残して去って行った。
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