マイ・スペース

「そろそろ会っとかないと怪しまれるよ」

「ですよねー」

「いくら彼がウブだからってさ、さすがに三週間も会わないのはまずいでしょ」

「だって気ノリしないし」

「お前は何様だっ」

あははって二人で笑う。


二人の時もあればマコが来て三人の時もある。

三人で煙草を吸いながら、学校のこと、彼氏のこと、バイトのこと、いろんな話をする。


私が見つけた非常階段の踊り場は、講義室のある建物から少し離れていて、部活の道具がおいてある倉庫みたいなかんじ。

二階建てになっていて、一階には野球部のバットとかサッカー部のボールとかしまってあるけど、二階は空っぽ。

空の部屋だから、夜に忍び込むカップルとか、酒を持ち込んで飲む奴もいるらしく、「立ち入り禁止」と書かれたコーンでふさがれている。


けれど昼間に人は滅多にこないし、塗りなおしたとかで踊り場はとても綺麗だから、私は無視して勝手に居座っている。





どこか喫煙できる場所がないかとさまよっていたとき見つけた私の場所。


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