RUN&GUN

憮然と言う与一に、意味ありげに微笑み、藍は口を開いた。

「ねぇ、よいっちゃんは、いくつになったの？」

やっと与一の上から降り、横にちょこんと座って、小首を傾げる。
特に意識しているわけでもなかろうに、一つ一つの動作が、相変わらず可愛らしい。

「十九ですかね」

再び藍に乗られないよう、与一は起き上がって、布団の上で胡座をかく。

「ふぅ～ん。おっきくなったわね～。ということは、あれから十四年かぁ」

言いながら、ちらりと与一を見た藍は、いきなり目にも留まらぬ速さで、拳を突き出した。
間一髪で避けた与一だが、攻撃は止まらない。

藍の小柄な身体から繰り出される攻撃は、一見当たってもさほど痛手を受けなさそうだが、彼女は軽い力でも、相当な傷を負わす術を心得ている。
素手でも、十分脅威なのだ。