ギャングエイジ
家を出るまでに涙は完全に引いた。むしろ、服選びに夢中になって柊斗の裏切りの痛みは引いていた。
最新モデルのブーツを従え、ドトールへ向かう。彼女の悲しみが命を吹き返すのはもう間もなくだ。

柚月は待っていた。その間に今日のことを日記に書くことにした。タイトルは―Sの裏切り。なかなか響きがいい。内容は…今朝、6:00起床!!今日から朝のウォーキングを佑稔と始めた。佑稔は歩くの早くて光憐坂でかなり離されちゃった。でも佑稔優しっ!!坂の上で待っててくれてベンチでマッタリしちゃった。やっぱwalkingよりlovingよね。で家に帰って軽くメイクして美波と登校。バレンタインデートの話じっくり聞いちゃった。羨ましいな。って朝は思ったけど今は…。柊斗君もひどいよ。他の女の子とキスするなんて。しかもジャージだったから、クラブのあとにしたってわけだし。クラブのあとは美波と帰る約束のはずなのに…ひどいよ柊斗君。今日で学年末も終わって恒例の女子会で美波、宣言したばっかりなのに、落ち込んでるんだろうな。今からなんて話したらいいんだろ。なんて励ませばいいの?私も幸せ報告したかったけどできないよ。佑稔にバー

カランカラン―。店の扉が開いた。柚月の持っていたシャーペンが走るのをやめ、日記に挟まれ鞄の中へ。入り口の方からブーツの音が響く。美波が来た。
< 2 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop