ふぞろいな三角たち
そんなのウソだろ?
このあいだ、僕の麗が告白された。

しかも、僕の目の前でだよ?





複雑どころの騒ぎじゃないでしょ?



ずっと小さい頃から、一緒に過ごしてきた、幼馴染の麗。

僕よりちょっと大きくて、僕より外見は男らしくて、

それでもね、僕にだけは分かってたんだ。
麗が飛びっきり、可愛らしくて女の子らしい子だって。


世界中の人が、みんな麗のことを、男女だとか鉄の女だとか言うけれども、
そんなことないんだよ。

あんなに強そうな癖して、小さな虫に怖がったり、痴漢にあっても何も抵抗できないくらい気が弱かったり、ファンシーな物好きで部屋中ピンクだったり…



だから、僕は小さい頃から決めてたんだ。

僕が麗を守るんだって。


それには強くならなきゃならないって、麗のお父さんに頼み込んで、道場に入門させてもらった。

おかげで、華奢な体がかなり筋肉質になったし、今では麗よりレスリングも強くなった。
実際相手をするときは、かなり手加減してるからね。

ほら、だって相手は女の子だもの。本気で相手をして、麗を傷つけたくないしさ。
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