鬼殺し
鼠部屋
やがて冬耶が握っていたドアノブに『ジー』っという機械音が響いた。

「な……勝手にロックが……」

「電子錠でしょう。さっきの手錠の鍵も一緒。
部屋のドアの鍵の開閉はみんな奴にコントロールされてるってわけね」

詩織はそう言って、固くドアノブに手を添えている冬耶の右手に手を添えた。

詩織の添えられた暖かい掌の温度に我に返り、冬耶はやっと、ドアノブから手を離した。

「結局、雅人を……私達、鬼にしたのね」

詩織の冷たい言葉に、誰も反論できなかった。
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