鬼殺し
部屋にいる女子の泣き喚く声やすすり泣く声

無数の声がそれに吊られて沸き起こりはじめた。

自分達が置かれている状況に驚き、悲観し、戸惑い苛立っているのだろう。

仁史の思いだけは少し違う。

いや、同じなのか。


「しっかりしろよ仁史!

……うるさい!お前ら、だまれ!!」

冬耶の一声も虚しく、喧騒にかき消された。
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