ラブレター 〜初恋〜
−第九章− 〜トウマ〜
俺の両親は小さい頃に離婚した。別に寂しくはなかった。母親がいてくれたから。小さいながらに、俺が母親を守ってあげなくてはと思っていた。困らせるようなことは絶対にしたくなかった。一緒に遊んでほしかったけど絶対に言わなかった。一人で遊ぶことが多かった。何となく外を見ていたら、仲の良い親子が目に入ってきた。女の子は満面の笑みで父親を見ていた。そんな二人から目が離せない自分がいた。その親子は決まった時間にうちの近くを通ることに気が付いて、いつのまにかその二人を見るのが日課になっていた。最初は自分では気づいていなかったが無意識に父親を求めていて羨ましく思い見ているのかと思っていた。でも違っていた…。ある日女の子一人だけで通っていた、その子は急にしゃがみこんだ。よく見ると、女の子は足を痛めている子犬を心配そうに見ていた。そして抱き抱えどこかに連れていった。そんな姿をずっと見ていた。その時気づいた。トウマはその女の子を見ていたんだということに。
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