チャット★ティチャー
ダブルデート
寺門をぐいっと引き寄せた。

「越後屋、おぬしわかっておるのぉ」

「いえいえ、めっそうもございませぬ、お代官様」

お約束のお代官様と越後屋ごっこをしながら、俺達四人は遊園地の中へと入った。

「あれ乗りたい!!」

尋が指を指した方を三人が一斉に向いて、押し黙った。

ゆっくりと急な斜面を登り、急加速で降る、遊園地の名物。

ジェットコースターである。

「いや・・尋・・・あれは・・メインディッシュで・・」

俺がもじもじしていると尋が俺の腕に自分の腕を絡ませた。

「レッツゴー」

腕に当たる柔らかい感触に俺はもうどうにでもなれとジェットコースターに乗る順番待ちに並んだ。

最初は思わぬサプライズにイケる気になっていたが、ジェットコースターの待ち時間は不思議とドキドキを募らせ、恐怖を煽る。

「お・・俺、やっぱり見てようか・・な」

「だーめ」

尋は俺の腕を離してはくれなかった。

嬉しいような悲しいようなそんな不思議な気分だった。

寺門と咲美はどうも苦手らしく、列の外で手を振っていた。



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