秋桜が散る前に

桜、散る中で




「ねー咲夢、合コンの数合わせで参加してくれない?1人急に来れなくなってさぁ…」




友達の綾瀬 優香(アヤセ ユカ)がそんな事を言って来たのは、終礼が終った瞬間だった。



優香は私が孤児院育ちな事を知っている。


中学からの、気を許せる友達だった。


世話焼きで、皆にせがまれてはお得意の人脈で合コンをセッティングする。



だけど今まで決して私を無理に誘わなかった。


奏太くんの事があったし、なにより、優香は私の経済状況を把握している。



その優香が、私に無理を承知で言っている。


今日はバイト休みだし…まぁ、いっか、気晴らしにでもなるかな…




「いいよ。わかった。今日はバイトは休みだから、大丈夫だよ。」


「ホント!?助かるー!会費は半額でいいから!じゃ…家よって行こう!」




ん…?優香の家に寄る?


そんな疑問がよぎったが、考える暇もなく私は優香に連れられて学校を出た。







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