無口な君と恋する理由。

「千里の次に可愛いって噂される美女。男遊びしてるって噂もチラホラ」


“知らない?”と寺尾さんというコを指差す恵美ちゃん。




「・・・知らない」


フルフルと首を横に振る私。


別に、そんなに人にキョーミ無いし・・・。



っていうか、今、小野寺くんって言った!?




バッと振り返ると秋人くんが、寺尾さんに連れ出されていた。





「え、ちょ・・・」


ナニアレ・・・。



親しげに、秋人くんの手を握る寺尾さん。


秋人くんは相変わらず無表情だけど。





「・・・ヤバいね、アレ。なんか、キケンなカンジ」


キケン・・・。



恵美ちゃんの言ったことは、


当たる。




確かに、キケンなカンジがする。


私の中にある第六感が、騒ぎ始める。




どうしよう、どうしよう・・・。




頭の中はそれだけだけど、彼女でもない私はどうにも出来ない。


< 40 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop