愛しのエリー【ホラー短編】
航平の前ではもっとおしゃれしたかったけれど、これが紗希の限界だった。
スカートなんて柄じゃなくて、持ってない。
こんなことなら、似合わないなんて言わずに買っておくべきだったかな。
ううん。
持ってたって、きっとはけない。
これがあたしなんだもん。
紗希は小さく息をついた。
…仕方ない、よね。
「それにしても、遅いな…」
携帯で時刻を確認しようとした時、
バシャバシャと水を跳ね上げる足音が聞こえた。
音のしている方を見ると、やってきたのは航平だった。