Dear...君へ

並ぶ携帯電話

「ハルさん!!」
確信を持ったのか笑顔であたしを呼ぶ誰か…。
太陽が眩しくて顔が見えない。

「ちょっと待って、今降りるから……うぎゃあ!!」

はしごに足をかけたあたしは急ぎすぎて落ちた。
そのあたしの下にはコンクリート
……じゃなくて、“誰か”。

「ごめん…ってか、女1人くらいキャッチしてよ。あたし重いみたいじゃん…」
「すいません…」
申し訳なさそうな笑顔を浮かべた。
…結構カワイい顔してんじゃん?
「で、誰なワケ?」
「覚えてないんですか?」
「全く。全然。さっぱり。誰だか。」
「あ~もう、恭介ですよ!!
2年F組の恭介です。前、相川先輩と居た時話したじゃないすか!!」

…あいかわ?
相川…あぁ、野球部の相川か。
相川は野球部で同クラ。
クラスでちょっと仲良い男子。

「あぁ、思い出したかも」
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