【花集】水たまりに映る花火
「おねがいします」


「いらっしゃいませ」


同じ大学だと知ったその日も、奏大君は決まった時間にやってきた。


だけど、今日はいつもと違う空気が私たちの間に流れる。


「みずたまりさん、大学の後バイトって大変じゃない?」


「そうでもないよ。仕事楽しいし・・・5時間なんてあっという間」


「でも夜のコンビニって強盗とか入りそうで・・・気をつけてね」


「ふふ。ありがとう」


「じゃ、また」


「ありがとうございます、またお越し下さいませ」





奏大君が来るたびに、彼を知る。

そしてどんどん好きになる。



そんな繰り返しの毎日が、私にとって一番の楽しみになった。


だからバイトがない日は物足りなかった。


一人暮らしをしているアパート。


コチコチと時計の音だけが聞こえる部屋は、なんだか心細かった。


「会いたいな・・・・・・」


奏大君と言葉を交わすたびに、その気持ちは強くなった。


「よしっ!」


私は部屋を飛び出し、自転車にまたがって、バイト先のコンビニに向かった。


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