【短編】生チョコ
居酒屋

水割り

桜木沙理奈が笑いながら私に右肩をくっつけてきた。

「高校のとき先輩のことあこがれてたんですよ。」

もともと下がり気味の目がさらにトロンとしている。

「私の代の生徒会長ってぜんぜんだらしなくって。先輩みたいな人だったら、もっと楽しい高3生活だったのにな。」

ふてくされる沙理奈は昔のままだ。

「沙理奈って全然変わらないわね。」
「全然!もう老けちゃって。」

そう言うと沙理奈は、「課長、次、何飲まれます?」と水割りを作りに離れていった。
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