【短編】生チョコ

クラスメート

あれから10日が経った。

時間はかかるけれど、失明の恐れはないらしい。

優の母親が学校につめよってきたそうだが、小さな町で噂がたつのは嫌だったらしく、話し合いで落ち着いたらしい。

クラスメートも何にも言ってこない。

ただ一人、優だけが毎日私のところにやってくる。

「気にしなくていいですよ。ほんとに大丈夫ですから。」

優は飽きもせずに何度も言い続ける。眼帯がかかっていない右目がいつもニコニコしていた。
< 24 / 30 >

この作品をシェア

pagetop