君のためのイジワル
ほら、と僕は目を閉じる。
戸惑う君の声がする。
でもしばらくすると、その声も無くなって静かになった。
君は今どんな顔をしているんだろうか。
頑張ってその顔を、目を上げようとしているのだろうか。
いや、少しずつ上げているところか?
それとも、すでに――。
目を開けたい。
そういう誘惑に襲われる。
今すぐ開けてしまいたい。
君の顔を見てみたい。
けれどダメだ。約束した。
目は開けないと約束した。
君の顔を見たいけれど、我慢しよう。
きっと――いや、絶対にすごくかわいい顔をしているんだろう。
頑張れ。僕は応援しているよ。
僕は、君と見つめ合いたいんだ。
君を見つめた僕の映った君の目が見たいんだ。
そのときに、謝るよ。
君のためという嘘を吐いたことを。
【完】
戸惑う君の声がする。
でもしばらくすると、その声も無くなって静かになった。
君は今どんな顔をしているんだろうか。
頑張ってその顔を、目を上げようとしているのだろうか。
いや、少しずつ上げているところか?
それとも、すでに――。
目を開けたい。
そういう誘惑に襲われる。
今すぐ開けてしまいたい。
君の顔を見てみたい。
けれどダメだ。約束した。
目は開けないと約束した。
君の顔を見たいけれど、我慢しよう。
きっと――いや、絶対にすごくかわいい顔をしているんだろう。
頑張れ。僕は応援しているよ。
僕は、君と見つめ合いたいんだ。
君を見つめた僕の映った君の目が見たいんだ。
そのときに、謝るよ。
君のためという嘘を吐いたことを。
【完】
