ボーダー
彼女はギュッと
ボールをにぎりしめて
彼に伝えた。
「気にするよ。
気にする。
....今なら
こんなにすんなり入るのに
試合で、大切な試合で
ひとつも入らなかった。
すごく悔しいよ。」
これが、彼女の
ありったけの気持ち。
ストレートだけど
正直な気持ち。
野球部の声や
サッカー部のボールの音が
グランドを賑やかにする。
「そっか....。
でも、俺の話も
聞いてくれる?」
彼が言った。