Genius~守り人~
「どち…らが…誠…?…偽り…?」



頭を抱えたままカタカタと震える來奈



今までの記憶と
蘇った記憶




……どちらが…………?














「來奈」






來奈を包み込む優しい声と温もり



「…戻った記憶を…私たちを……」

頭の上から降ってくる声


安心できる
素直に受け入れるコトができそう


來奈は頭を抑えた手をゆっくりと降ろした。



― …オレは……



閉じた瞳を開き秋穂からそっと離れ横に立つ護と氷を見上げる。







「…オレはあなた達について行く。
あなた達と共に闘います。」




握りしめた右手を胸の辺りに持ち上げる。





「この刻印が消えるように…





朱雀の御印に誓って。」






來奈の真っ直ぐな瞳

それに偽りはない







「そう。よろしく。」

護は優しく笑い手を差し出した。


「そうだ、名前まだだったよね。エントリーした名前は違ったよね?」



來奈は護の手を力強く握り返した。













「…オレは…來奈。
風火來奈。」








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