Genius~守り人~
数時間後、來奈は秋穂や氷、護と共に内裏の門・羅城門の二階に上がり街を見下ろしていた。
清涼殿に入るときはまだ高かった日はもう沈もうとし、街を赤く染め上げている。
あれから來奈は帝に哀哭溜について話した。
陰と呼ばれる本部のコト
哀哭溜幹部・セブンスのコト
御前のコト
“闇鴉”來のコト――――
自分が知る限りのコトを
陰の場所は言えなかったが……
帝は來奈が話す間彼女から目を離すことなく聞いていた。
そして話し終わると「ありがとう」と呟いた。