Genius~守り人~
「…來は……どこ?」

「……」

「見ていない?捜しているの。
黒服の女の子。」



― ……オレを……捜して……?



「………何故…オレに訊く……?
…敵だぞ……」


「あなたなら知っている気がするの。
それに敵味方なんて関係ない。
ただ私はあの子を護りたいだけ。
來は大事な存在だから……」


沙柚の瞳は優しい光を帯びる。


「だから…教えなさい!」


また力が強くなる。


限界が近づいていたこともあり朱雀は圧されるまま膝をついた。


息が荒くなってくる。


「…沙……柚………」


刃を受け止めたままハチミツ色の瞳を見上げる。



視界の端に映る翼が色を失っていく。


“魂の解放”が出来なくなり、髪も瞳も元の色に戻った。


「…オレは…ココだ…」


沙柚の目が見開かれる。


「すまない…」


「あなた…來なの…?」


いつも見る黒い瞳の來はいない


自分を見上げるワインレッドの瞳



「良かった…見つかって…」


困惑の表情は直ぐに消え、刃の力は抜けられる。


「沙柚…オレは…」

目を伏せる。


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