Genius~守り人~

赤い空気が渦を巻く。




男は來奈に辿り着く前に消え去った。









目を閉じたままの秋穂を抱きしめる來奈の瞳が漆黒に染まっていく。




― …オレは……オレは………







來奈を中心として広がる赤い空気に包まれた黒き衣を纏った者たちは消え去った。




ただ2人を除いて







程なくして赤い空気は消えた。















騒がしかった街は静かになり、後には多くの亡骸と茫然と立ち尽くすヒトびとが遺された








漆黒の光を失ったワインレッドの瞳は閉ざされた。

























その日以来、來奈は今まで以上に心を閉ざし誰とも打ち解けようなどしなかった。











ある少女に再会するまでは――――…

< 227 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop