Genius~守り人~
來奈は黙ったままポケットから赤い羽根を出して掌にのせる。

そして護に教わった通り霊力を注いでいく。

すると羽根は次第に光を帯び、浮かび上がると隼人の身体を包む。

光の中で傷が徐々に塞がっていく。

「なに?その羽根」

來奈の様子を見ていた弥那は不思議そうに尋ねる。

「…朱雀の羽根」

「朱雀の!?どうやって手に入れたの?」

「朱雀はオレの良く知ってる奴なんだ。

前にあいつからもらってたものを護に加工してもらったんだ。

…っ…」

來奈は一瞬顔をしかめる。

「どうした?」

氷が彼女の顔を覗き込む。

來奈はじっとりと汗をかき、どうやら『來奈』としての霊力の限界が近付いているようだ。

先ほどより光が弱まっている。

「弥那、…ちょっと力を貸してくれ…」

弥那は頷くと來奈の正面にまわり、隼人を包む光の中に手を入れる。

すると一気に光は強くなり、怪我の治りも速くなる。

「わ…ぁ…」

自分の力の大きさに驚きの声をもらす。



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