ギャル姉のヤンキーな弟
序章、なんて言うのは決まってあるもの



プルルルル...
プルルルル...
プルルルル...
プルルルル...

ガチャッ


「はいはいはいはい、もしもしっ??」

『出んの遅ー、つか何かしてんの??ばかテンパってんじゃん。』

「なんだ、誰かと思ったら…。」

『なんだって、失礼な!』

「あーら、ごめんなさぁいね!…私は恋人達の一大イベント、クリスマスにド暇な紗依ちゃんとは違って忙しいのよお。」

『うわ!うっぜ!香織うっぜ!』

「ばたばたしちゃっててねー、…あーぁあ、暇な紗依ちゃんが羨ましい限りよ、ふぅ。」

『マジ死ねば良いのに…。』

「うっせーな、生きるし!てか、何の用だよ!いきなり電話してきて、用件言えっつの!」

『あ、そだっけ。忘れてた…。』

「はい??…大丈夫ですかー??おばあちゃーん、ウチの事解るー??だいじょぶー??」

『………、』

「あ、アレ??嘘、まさかの無視??」

『…前言ってたヤツ、あたしがめちゃ感動した曲。』

「……あぁ、そー言えばあんた言ってたね。で??それがどしたの??」

『今さ、あの新しく出来たでっかいツリーあんじゃん。あそこの近く歩いてんだけどさ、ちょうど流れてんだよね。聞こえるかな??』


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