キミ色ヘブン
絵が好き。

油絵のこの鈍い匂いが好き。

いろいろあるけど学校も友達も結局は好き。


モデルのくせにチュッパチャップスの棒を口端から出してクイクイッと上下させている中山君が目を夕日に細めた。


「さっちゃん、これ終わったらデートしよ?」

「いいよ」

キミが好き。


「じゃ、早く終わらせて?」

「…………」

そんなキミが大好き。

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