恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
希は処置を終えると、疲れていたのかすぐに眠ってしまった。
俺は少しお義母さんと話をして、茉央のことをお願いすることにした。
お義母さんと茉央を希の実家に送り届けた後、俺は希の入院に必要なものを取りに一旦家に帰った。
ついでに明日(日付的は今日だけど)、病院から学校へ直行できるように支度もして、病院に戻る。
それから希の知り合いの先生に頼み込み、希のベッドの側で椅子に座り、顔を伏せて眠りについた─
―朝―
「…んんっ、」
カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた俺は、真っ先に希の方を見る。
まだ寝てる…
よっぽど疲れたんだろう。
たった数時間前、希は想像を絶する痛みに耐えて、子供を産んでるんだからな…
すごいよな、母親って。
父親は、一生かかっても敵わないだろうと俺は思う。
尊敬と感謝を込めて、俺は眠っている愛しい人の頭をそっと撫でた。