恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
何気ない日常 side kazuma
「か〜ずまっ♪」
偶然…なんてものは、意外と起こり得るものだ。
離島での勤務を終え、新たに赴任してきた学校にはなんと…前の学校で親友となった藤崎 陽翔【フジサキ ハルト】がいたんだ。
また陽翔と一緒に働けるなんて、夢にも思わなかった。
「おはよ…陽翔。でもお前、朝から気持ち悪い…」
「気持ち悪いとは何だよ〜?幸せオーラ満開の一真には言われたくないな!」
そう言って、陽翔は俺の左手首を掴んできた。
「あっ…こら、返せ!」
何をするのかと思いきや、俺がはめている結婚指輪を薬指から外しやがった。
「そんな怖い顔すんなよ〜。ったく…いつも一真は奥さん一筋だよな〜」
俺は陽翔の言葉を聞きながら、奪い返した結婚指輪をはめ直す。
「当たり前だ。ま、正確には希と茉央に一筋だけどな。」
「うわっ…出たよ、一真の家庭自慢。はいはい、わかったから!てか、もうすぐ職員会議だぞ!!」
陽翔は俺を簡単にあしらい、会議の資料を渡した。