「妄想」
もし、教室が

私は、ただの高校生だ。
成績も普通、運動少し得意ではあるがかといって凄く出来るわけでもない。
自分に何が出来ると聞かれたら、きっと私はこう答えるであろう。

「妄想が得意だ。」

こんなことは、友達にも恥ずかしくて言えやしない。
きっと、言ったら苦笑をして「そうなんだ~」と、渇いた返事が来るのだろう。

そんなことを、授業中に考えていた。

授業中なので、教室には教師がチョークで黒板に文字を書く規則正しい音が良く耳に聞こえる。

クラスメイトの大半はそちらに集中している。
ごく僅かだが、寝ていたり下を向いて携帯を操作していたり
私みたいに、余所事を考えていたりする。

授業というのは、とてもつまらない。
別に、勉強をしたくないと言っているのではない。
ただ、全国の学生はこう思っているんじゃないだろうか。
授業が楽しいと言える人間は、ほんの一握りのはずだ。
きっと、そういう人間が将来を動かしていくのだろう。

しかし、勉強は嫌いだが授業がそこまで嫌いではない。
私はそんな人間だ。

理由は簡単だ。

「妄想が出来る。」

他に何があるというのだ?

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