想死想愛
カミソリ
今年22歳になる綾菜は少し変な感情を
持った女。
想い人を愛す程
その人の死に様や
遺体を見たくなるのだ。
そして今、綾菜が
想っている裕樹。
綾菜は最近裕樹の
遺体も見たいと感じる様になってきた。

「あ‐裕樹…
愛してる…」
夜の愛し合う時も
血ににせたトマトジュースを
裕樹にかける。
裕樹もそれを嫌がる素振りを見せなかった。

綾菜は裕樹を
見てつい堪えられなく
なってしまった。
「裕樹…裕樹…」
綾菜の息遣いが
荒々しくなって
「綾菜…?」裕樹は
優しく問い掛けた

綾菜は洗面台まで
走ったそして
洗面台にかけてた
カミソリに手を伸ばし
握り締めて
裕樹の元へ駆け寄った。「裕樹…愛してる」
綾菜の濡れた声に
裕樹は…
そこにあった
果物ナイフを
握り締めた。

実は裕樹も
綾菜と同じ
趣味をもった人間
だったのだ。

「先にあたしに
裕樹を傷つけさせて…」
「俺に先にやらせてよ…綾菜のその白い肌」

二人は一気に
互いの持ってる
刃物を振り回した。

裕樹の腕と頬には
×の傷が…
綾菜の鎖骨と腹部には
流れるような傷が…

刃物
だけでは満足いかない二人はついに
色々なものを
持ち始めた。

裕樹はネクタイ。
綾菜はテレビのコード

“キャハハ…”
二人の気味悪い笑い声がこの部屋に響いてる

部屋のあちこちは
血まみれ…
床の上には指が
落ちてる。
どっちのかも分からぬ程に二人は夢中。

「んん…‐」
裕樹が綾菜の首を
しめる綾菜は笑う
裕樹の首に伸びた
真っ赤なネイルつけた
爪を突き刺した。

“グググ…”

「キャハハ」
生々しい音と
激しい痛みに
裕樹は力をぬいた。

綾菜は自分の
目の中に長い指を
ブッ刺して
目の玉を取り出した

「これあげる」

そう言って裕樹に
目の玉を差し出した

「ありがとう…」
裕樹は綾菜の手の平から目の玉を拾い
口の中に入れた
まるで飴玉でも
舐めるかの様に舌の上で転がし味わってる。

「お返しに何か頂戴」
綾菜が云う…

何なんだろうか
この二人…
そろそろ私も気味悪く
なってきた…

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