亮平のおもちゃ

その後


 俺は、教師であり、幼馴染である原田亮平が好きだ。
去年までは付き合っていたのに、今は俺の事すらわからねぇ。
…卒業まであと3ヶ月。
卒業したら、俺と亮平は本当に何一つかかわりがなくなる。
でも…、たまに亮平の実家に遊びに行こう、亮平と一緒に。
今はもう、恋人じゃないけど、亮平には幼馴染だった記憶すら無いけど、俺達は幼馴染だ。
だから…。

「達也ぁー!!」

「んだよ。」

教室に入るなり、俺にベタベタしてくる順平を、俺は引き剥がした。

「美樹が全然優しくしてくれん。」

「ぶっ。…美樹ツンデレだからなぁ~。」

俺は大笑いしながら言う。

「俺は、本気で悲しいんだ。」

「だから、美樹はツンデレだろ?ツンの割合が多いだけだろー?」

「そうだよ、達也は分かってるね、美樹の事。」

「まぁな。元カレだし。」

亮平の前で、わざと俺は美樹とイチャイチャしてみた。

「―――ッ。やめろ達也。美樹に触んな。殺されたいのか?」

「!」

まじめな顔で怒った順平に、俺は少々おどろく。
少し前までゲイで、俺の事を襲ったコイツが、まさかそんなに美樹を好きだとは、思ってもみなかった。

「べっ、別に、嬉しくなんかないからッ!順平なんて、大嫌いなんだからッ。別に、もっとカマって欲しいとか、寂しい…なんて、思って無いんだから!」

美樹が頬を赤らめる。

「ほら、寂しいって、カマってやれよ、順平?」

「だ、だから、美樹は別にそんな事…」

反論しかけた美樹の頭を、順平は撫でた。
途端、美樹の顔がトマトみたいに真っ赤になる。

「はぁ~。これだから、最近の若者は困るぜ。」

俺はそう言って、席に着いた。
なんだかんだ、俺はあの2人が羨ましいのかな。と俺は少しだけ思う。
でも、俺は…
別に方恋で一生を終えれるのも良いと思ってる。
だって…、俺は一生アイツの玩具だから…。


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