【COLORS②】スイカに恋したい
「あの──」

こんな道の真ん中で立ち止まって決意を述べていりゃ、通行の妨げになっていることは百も承知である。

背後から声が聞こえたが、どうせ「邪魔」って言いたいんでしょ。

邪魔と言われる前に謝ってしまおう!



「ごめんなさい!」

……これでばっちり。

「なんで謝るの?」

えっ?!

私は下げた頭をゆっくりと上げた。

「……」

キレイな女性だった。

「もしかしてなっちゃん?」

自分の名前が呼ばれたことについ反応してしまった。
頭の中で一生懸命、人物検索を始めたが一致するものはいない。

「えっと──どなたでしたっけ?」

こういう時は素直に聞いた方がいいんだ。

「俺だよ、海」



俺!?



「……海ちゃんって女の子のハズじゃ」

頼りない昔の記憶をたどってみても間違いはない。それだけは確信できる。

「イヤだなぁ、僕は男だって!今もよく女性に間違えられるけどね」


お・と・こ……


あの海ちゃんが……



ガクッ



私は全身の力が抜けると同時に、大きな音を立て何かが崩れていくのを感じていた。
< 5 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop