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「ば…化け物だ!逃げろ。」
 焼肉祭り会場はパニックに包まれる。

「あ…あの、あざらしだ!誰が、やろ、つがめろや!」
 事の次第に気付いた将太郎が叫んだ。

「将太郎、駄目だよ。あいつ、この前のあざらしと違うみたいだぜ。逃げた方がよくねぇ?」
 千秋が、転んだ将太郎に言った。

「千秋。おめ、あのあざらし捕めでこや。銭なら出してやっから。」
 将太郎が千秋を急かす。

「無理だよ。そんなの。」

「ウルサイ。」
 不意にジークレが千秋に割り箸を投げ付けた。

「痛い!」
 千秋は、それを右肩に受け倒れ込んだ。

『色男。金と力は、なかりけり』まさにそのことわざを、地でいく千秋だった。

「モット!」
 ヒマラヤトカゲを食べ尽くした、ジークレが動き出した。

 人々は遠巻きに見つめる。

「おう、“大門”さん。おめどごの部下使って、あのあざらし捕めらんにがな。」
 将太郎が、ヤクザ顔負けの社員に言った。

「はあ?何でそんな事。」
 大門が訊ねた。

「一般大衆の悩みの為だ。銭ならいっぺ出すがらよ。」

「…やってみても良いが。」
 言って大門は、人垣を見回す。

「おう!“第三プレス部”。あのあざらし捕まえるぞ。報酬は、将太郎が出すぞ!」
 そして叫んだ。
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