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『ヨッタ、京子は?』ポゴが、冷静にそのやり取りを眺める。

「…ねえ、ヨッタ。そんなに戦闘服が欲しいなら、お洒落(おしゃれ)なスーパーヒーロー・ジャスの服を借りようよ。」

ポゴが、路肩に停められたZ2を指差した。

「ジャスの服」
 テンパるヨッタ。

「あのバイクに積んであるケースあるだろ。あの中に多分、戦闘服が入っている筈だよ。ジャスは戦う時々で戦闘服を替える程、格好つけだから。」

「分かったよ。」
 ヨッタは躊躇う(ためらう)事なく、Z2に近寄る。

「ヨッタ…それ、泥棒…」
 余りものヨッタの行動の早さに、戸惑うごんぞ。

 しかしその言葉も余所にヨッタは、ケース内を物色し始める。

「これは!か…格好いい!」
 そして一着の戦闘服を取り出した。

 それは青地に白のだんだら模様の入った戦闘スーツだった。

「それは、ジャスお気に入りの新選組スーツ…」
 ごんぞは更に戸惑う。

 しかしヨッタは聞く耳持たず、それを着だした。

「ピッタリだ!」
 ご機嫌なヨッタだった。

『当たり前だろ。全ての体型にフイットする、万能素材だ…』もはや言葉も出ないごんぞ。

「…でも、ジャスにばれたら、どうする気?」
 不意に言いだすポゴ。
「あ!…正義の下、殺される?」
 ヨッタが現実に引き戻される。

「…確かにその服なら、空も飛べる。…大丈夫だヨッタ。ジャスに言われたら、“百二十円”と叫んでやれ。」
 ごんぞは頭を掻きながら言った。

「本当?そんなんで大丈夫なの。」

「ああ、問題無い。さあ、行けヨッタ。京子を助けだせ!」
 ごんぞの激(げき)が入った!

「分かったごんぞ。俺は必ず勝って京子を助けだすよ!」
 ヨッタが応えた。

「よし行こう決戦の場へ。」
 ポゴがザイーテンを指差した。

 ヨッタはグッと頷く。

「臍下丹田に力を籠めて!」
 そして叫び、戦場に向かって駆け出した!
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