???
「グルルル!」

 ヨッタを担ぎ歩くごんぞに、くっきーがうなった。

「流石シーク。忠犬だね。お前も連れていって欲しいのか?」
 ごんぞがくっきーを見下ろす。

 ガブッ!くっきーが持てる力の全てを出し、ごんぞの足首に噛み付いた。

「…‥」
 だがごんぞは微動だにしない。くっきーも、噛んだその口を緩めようとはしない。

 暫らくその態勢が続いた。

 トン。突然、ごんぞがくっきーに手刀を入れた。
 くっきーは、泡を吹いて気絶した。

「忠犬だね。」

「ごんぞ!」
 その様子を伺っていた、ポゴが叫ぶ。

「気絶させただけだろうが。興奮すんなよ。」

「…もう…行くよ。」
 ポゴが走りだし、ハイラックスに乗り込む。

「お前も行くだろ?」
 ごんぞはくっきーに言って、尻尾を握り引きずっていく。
 そしてヨッタ・くっきーを、ハイラックスに押し込み、運転席に乗り込んだ。


「よし、我が家に戻るか。」
 ごんぞはハイラックスのキーを回した。

「腹減ったね。ごんぞ。」

「お前の好きなプリン買ってあるぞ。」

「本当!やったー。」
 ポゴは両手を打ってはしゃぐ。

 ごんぞは“ドライブモード”を“スペースモード”に切り替えた。

 キーン…ハイラックスの車体が重力に反して浮き上がった。



 浮上を続けるハイラックス。やがてその姿は闇夜へと消えていった。
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